2013年12月20日金曜日

ブリストルの若者たちのクソみたいな毎日

 ずっと気になっていたけれど、タイミングを逃したままだったUKのドラマSkinsをようやく観た。きっかけは「ウォーム・ボディーズ」。ほっぺの膨らんだ小さい男の子(アバウト・ア・ボーイ)がいきなりトム・フォードのお気に入り(シングルマン)に成長していたので、その間に何があったの気になったので、確認した。で、はまった。あまりにはまって、ブログを再開した。今後も、このドラマは日本で放送することはまずないだろう。視聴のハードルは高い。でも、観て欲しいし、わたしはSkinsについて喋りたい。しかし、喋る相手がいないので、書きたいと思います。
 Skinsは、ブリストルでAレベル(大学入学のための統一テストみたいなの)のためカレッジに通う若者たちの2年間の物語。なので、2シーズンごとにキャストが変わる。S1とS2の第1世代はこんな子たち。とりあえず、下の写真で説明。



トニー:黄緑のTシャツ着てる男というか、ニコラス・ホルトです。大変賢いモテ男。いささかサイコパスじみている。一番好きな哲学者はデイヴィッド・ヒュームで、一番好きなPrimal ScreamのアルバムはVanishing Point。ただ、トイレでサルトルの『嘔吐』を読むのはどうかと思う。ミシェルが彼女。

シド:メガネの帽子。トニーの親友。ボンクラ。 ミシェルのことが好き。Skinsはシドの脱童貞大作戦ではじまる。ちなみに、シドのパパ役は第12代目ドクターに決まったピーター・キャパルディで、SkinsでもFワード連発してる。ドクター・フーではそれ絶対禁止だから!

ミシェル:水色ワンピースのブルネット。トニーの彼女。サイコパスじみた彼氏と彼氏がコロコロ変わる母親に振り回され気味。

キャシー:ブロンドのふわふわした頭の子。拒食症で入退院を繰り返している。シドのことが好き。口癖はwowとtotally。デヴィッド ボウイやインディ・ミュージックを愛聴し、愛読書は吉本ばななの『キッチン』という一見不思議ちゃん。文化系男子は彼女に恋して痛い目にあうとよろしいね。演じているハンナ・マリーはベルセバのYour Cover's BlownのPVとスチュアート・マードックの映画「God Help The Girl」に出ている。

クリス:サングラスの子。酒とドラッグを愛するパーティーアニマル。だけど、お話が進むにつれて色々わかってくるよっていう役。

ジャル: オレンジのタンクトップ。クラリネットの才能があり、賢く、この中で最もまともな女の子。母親は家を去り、父親とは不仲。この父親、ブリストルのJay-Zみたいな人で、顔はジェイミー・フォックスをさらにシリアスにした感じの人。でも、彼女は最近の音楽は嫌い。あと、馬鹿な兄が2人もいる。

マキシー:半裸のブロンド。ゲイのダンサー。とてもキュート。親友はアンワー。第2世代までの男の子で清潔な服を着る子は彼とトニーで、まあみんなびっくりするくらい小汚い。いつから放置してるか分からない服を匂い嗅いで着るな!牛乳やジュースの大きなボトルに口つけて飲むな!

アンワー:スラムドッグ・ミリオネア。女性の裸とsexで頭がいっぱいの敬虔なイスラム教徒。マキシーと仲がいいけど、彼はゲイなので色々複雑。この問題を扱ったエピソードでのアンワーパパの言葉がすごくいいです。アンワー役の子は、ダニー・ボイルのお嬢さんがこのドラマを観ていたことをきっかけにジャマール役を得たみたい。わたしはシャマランが好きなのでエアベンダーの続き待ってます。

写真の残りの2人は、お嬢様学校に通うトニーの浮気相手アビゲイルと、80'sヒップホップが好きなトニー達のクラスメイトのケネス(彼はSkinsの脚本にも参加してる)。他には、トニーの妹で第2世代のメインキャストのエフィーやマキシーのストーカーのスケッチとか。

 ゴシップ・ガールは、マンハッタン・セレブのスキャンダラスな日常を覗きたいならここで決まり!と始まる。それに対して、Skinsは、ブリストルの8人のティーンたちの、酒とドラッグとセックスとゲロにまみれたクソみたいな毎日の物語が描かれる。当初、そんなつもりはなかったが、アメリカの学園ドラマの裏街道として観るのも面白い。例えば、たいていの女の子と寝てるようなイケメンのトニーは、スポーツマンタイプではなく、哲学と文学を愛し、親友はボンクラ負け犬のシド。ミシェルは学園のクイーンタイプだが、不思議ちゃんなキャシーとクソ真面目なジャルと仲がいい。経済的には、ジャルやミシェルの家は裕福だが、他の子たちはそうでもない。昔からの友達だからか、彼らは、いわゆるスクールカーストだとか経済的な階層だとか無関係につるんでいる。あと、アメリカのドラマではティーンを20代の役者が演じることが多々あるけれど、10代の役を10代の子が演じるだけでなく(だからまだ顔が不安定なのね)、脚本にも同世代が参加している。だからリアルなティーンの生態をとか言いたいわけでないし、そもそも日本に住むわたしにはそんな判断さっぱりつかない。でも、少なくともティーンの子たちの「今」を描いたドラマなんだと思う。特に、第1世代は、大学入学テスト前(というか卒業を控えた時期)特有の、どうにも落ち着かないあの時って感じがする。                   

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